医療・食品ブログ

はじめまして、医療関係者のシンイチと申します。当ブログでは医療・食品をメインに書いていきたいと思います。

ニューキノロン系抗菌薬(抗生剤)による大動脈瘤、大動脈解離とアキレス腱障害のリスク

こんにちは、シンイチです。

第8回目は、
第4回でお話したニューキノロン系抗菌薬の続
きになります。


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2018年9月18日号のj am coll cardiol誌の掲載では、キノロン投与により大動脈瘤・大動脈解離(AA/AD)のリスクが増大する研究結果が出ています。

この研究では、2000年から2011年までにAA/ADを発症した入院患者を対象としており、

患者の多くは高齢者の男性で、高血圧や虚血性心疾患、COPD脂質異常症、糖尿病などの
心血管疾患を合併していたそうです。

投与期間の結果、キノロンを3〜14日投与された場合は3日未満の投与と比較して、

AA/ADのリスクが2.4倍となり、14日以上の投与では2.8倍となるという結果になっています。

米国では年間2500例以上のAA/AD発症にキノロンが関与している可能性があるとのことです。

また、
2002年6月1日のbritish medical journal誌の掲載では、
キノロン投与によるアキレス腱障害の発生頻度は、高齢者では若年者に比べて3倍になるというデータがでています。

これは、1992年から1998年までにキノロンが投与された4万6776人を対象としたもので、
704人に腱炎、38人に腱断裂があったと報告さ
れています。

また、服薬30日以内では、アキレス腱障害のリスクが3.1倍となり、ステロイド薬を併用している患者では、6.2倍になるという結果になっています。

ニューキノロン系抗菌薬は、以前からコラーゲン繊維に対する毒性が指摘されていましたが、
発生機序は未だに不明です。

また、大動脈溜や大動脈解離のリスクが増大することから大動脈壁への影響も懸念されます。

今回のような研究データ以外にも、副作用が発症していても見落とされていたり、
医療側が認めないケースが多いので、実際には
もう少し多いのではないかと思います。

僕の場合も医師会やpmdaが認めることはなく、一切保障はありませんでした。

高齢者を問わず、キノロンの使用はほかに選択肢がない場合にとどめておく必要があるかと思います。